冷却幽霊

第4話

私は、暇だ。 何故かというと、することが無いからだ。 私のパートナー、仕事相手である瀬田は普通に学校に行っている。平日の昼間とか超絶に暇。助けてエイリーク!な日常である。 さて何をしようか、と考えて、未だ服を着替えていなかったことに気付いた。…

第3話&おまけ

とにかく、友達にならないといけないじゃないか。暇だし。何かと金も要り用だし。幽霊になってから金稼ぎするなんて思わなかったよ、すごいねこのシステム。死後ですよね?自己紹介はした。次は… 『ここ住んでいい?』 「は? 嫌だけど」 『そっか、ありがt……

冷却幽霊 第二話

人魂の名は御影(みかげ)といった。ちなみに、厳密に言うと人魂ではないらしい。ならば何なのかと聞くと、曖昧な言葉が返ってきた。よく分からないが御影は御影だという。 『御影、ちょっと聞いていいかな』 『…何だ』 『世界ってどうやって救うの?』 戦うの…

冷却幽霊 第一話

死んだら忙しくなりました。 いやマジで。 事件が起こったのは夏休みのことであった。いつものようにほんわかと歩いていただけだった。そう、大抵の人には分かると思うが、私は轢き逃げられた。ずるずると引き摺り回されたもので、服の破れが半端じゃなかっ…

冷却幽霊 プロローグ

冷たい幽霊がいた。 心でなく、体が恐ろしく冷たかった。 私はそれに会ったから。 会ってしまったから。 あまりにも短いその命を落とした。 綺麗な瞳だと思った。 それだけだった。 死ぬことは思ったよりも苦しく、そして寂しかった。 激痛より何よりそれが…