冷却幽霊 プロローグ

冷たい幽霊がいた。
心でなく、体が恐ろしく冷たかった。
私はそれに会ったから。
会ってしまったから。
あまりにも短いその命を落とした。


綺麗な瞳だと思った。
それだけだった。
死ぬことは思ったよりも苦しく、そして寂しかった。
激痛より何よりそれが辛かったはずなのに、どうして人は忘れるんだろう。
人は一秒ごとに死んでは生まれ変わってるんだ、きっとそうだ。



私はもう生まれ変われないけど。