第3話&おまけ

とにかく、友達にならないといけないじゃないか。暇だし。何かと金も要り用だし。幽霊になってから金稼ぎするなんて思わなかったよ、すごいねこのシステム。死後ですよね?

自己紹介はした。次は…
『ここ住んでいい?』
「は? 嫌だけど」
『そっか、ありがt…ってええええええええええええええーー』
拒否なの?おかしいよね?普通男子ならときめいたっていいよね?住むんだよ女子が!幽霊だけどさ!!
「や、普通断るだろ。血まみれだぞ?気味が悪いし」
だろうな。この服ひき殺されてたときのままだしな。私だって怖いよ。
「おまけにお前殴ってくるし嫌だ」
『ええー』
そりゃ殴るよ。馬鹿にされたら殴るしかないじゃん。喜べって言うの?それとも悦べって言うの?無理だよ私。
『お願いだ、頼むから。大丈夫、迷惑はかけないさ!なんなら壁の中に暮らすんだって構わんから!』
「………あのさ、何でここに来る訳?」
あ。
それもそうか。
…でもなあ、死体と話ができる人ってレアだと思うし。
お前なにげに貴重だよ。UMA程じゃないけど。
て言うかとりあえず仕事だ仕事。
『……ま、まあ気にしないで。全然怪しい者じゃないし、ただ単にここの内装が気に入っただけの幽霊だし』
「おい待て。幽霊って時点で既に怪しいだろ!」
『細かいこと気にすんじゃねーよ!!』
「気にするだろ!」
平行線である。いちいちうるせえなこの餓鬼。半端に顔がいいのが許せん。男なら細かいこと気にするなよ。ぐちぐちとうっとおしい。
『気にするな、大丈夫だから。それにさ、きっと楽しいはずだよ。幽霊と共に過ごす恨めし…穏やかな一時。うん、キャッチフレーズ的に最高』
「出ていけ今すぐ」
手近の教科書を投げつけられた…のだが、私にはかすりもしない。流石幽霊!気が利くな!
『…………待てよ』
瀬田久遠。私の姿を見て、声を聞くことの出来る人間。…それってもしかして。
『でえりゃああああああ』
瀬田に向けての渾身の一撃を、彼は。
−−−−ぱしっ。
いとも容易く受け止めた。
……受け止めた?
『お前すげえな、幽霊触れるとか』
「ああ、あれだろ、お前は実は死んでないってオチ」
『いやいやいや!!』
ひかれたんだよ。車さんに引き摺り回されたんだよ。生々しい感覚が今も残ってるんだよ。
「嘘だ。実はお前のことは新聞で読んだ」
『…ほう、なかなかに博識なお人じゃありませんか』
「………お前新聞も読まないのか?」
見下しレベルが3上昇しました。
『あんた中2なんだよね?』
「紛れも無く」
笑みも浮かべずに頷いている。コイツウザイです、捕まえてくださいお巡りさん。
『…厨二なんだよね?』
「ちげえよ!!」
いや、怪しいね。お前みたいなやつが世界を妬んでこの世を変えるとか変えないとか言ってカッターナイフを取り出すんだ。偏見?馬鹿にすんな、これはあいつに対する憎しみだ。
しかし大丈夫だろうか。友達になるとかもう夢じゃね?


しかし。
家族に会いに行こうとしてもどうせ気づかれないんなら。
この生活は、正直苦ではない。
瀬田久遠は、いやなやつだけど悪い奴ではない、そんな気がする。


「おい幽霊、邪魔だしちょっと消えろ」
『 お 前 が な ! 』
「うるせえな首絞めるぞ!」
『絞めてみろよ!どうせ死なないし!』
「ならばその分苦しいはずだ」
『はっ!望むところだ!!』
「黙れドM」
『んな訳ねえだろ!!!』


前言撤回。


おまけ。
下手だぞ、すまんな。

絶厦さん↓

久遠君↓

二人ペアで