短編小説

小説書いた

やっつけだけど許してね。焦った。 時間外殲滅戦 お題:クローズド・サークル 河原空木 「ヒットォ!」 諦めたような、清々しいような声がフィールドに響いた。これはきっと、吹っ切れた、という形容が正しいのだろう。声を発した少年は、エアガンを抱え直し…

薄利多売な恋愛感情

昔から不安だったんだと思う。自分は必要とされていないのでは、というかむしろ迷惑なだけの存在なのでは、と。 でも死んだら死んだでそれは迷惑で。 私はどこにいればいいのかと考えていた、かもしれなかった。 佐々木泊(ささき とまり)は病気だ。とても軽…

レモンのような

俺はレモンが好きだ。 小さい頃からそうだった。レモンのおもちゃしか握らなかったし、初めて食べたのはレモンだった。愛読書は『檸檬』、梶井基次郎先生の名作である。小さい頃、母親が絵本代わりに読んでくれていたものだ。今考えたら、どうかしている母親…